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『考えるヒント』(小林 秀雄 著) 文春文庫
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今でも、小林秀雄は、高校の教科書に載っているのだろうか。
大層難しかったはずなのだが、どうもそこに魅かれたようで、以来
、40年近くの付き合いである。時折、読んだりながめたりしているが、こちらが一向に成長していないらしく、依然としてよく分からないままである。
ある日、県立図書館へ行って、「小林秀雄を分かるようになる何かいい本はありませんか」と聞いてみたことがある。司書の方が書庫から持ってきてくれたのは、大岡昇平の本で、「この人は、若い頃から小林秀雄の近くにいた人で、文章もずっと読みやすいから、こういうのを読んでみる方法もいいですよ」と、薦めてくれた。
その本を読んで、幾つか、納得したり思いあたったりしたことがあった。小林秀雄の作品には、カントだの、プラトンだの、哲学の話がよく出てくる。どうして小林秀雄は、こんなに難しいことばかり書くのかと思っていたが、彼の時代の旧制中学では、哲学を教えていて、彼も熱心に勉強していたらしい。もう一つ、大岡昇平は、小林秀雄の文章には詩的なところがあるとしていて、なるほど、高校生の私が惑わされた、あの"かっこよさ"は、"詩"的なものであったか。
そもそも、日本の知性の代表のようにも言われる人なのだから、その何十分の一の本も読まずに彼の本が分かるはずもない。だからこそ、小林秀雄という読書の達人の後を追いかけて、いろいろな本を読むことに挑戦してみることは、読書の一つの方法だろうし、たのしみだろうと思う。なにしろ、日本の古典からロシア文学、ゴッホからモーツァルトまで、ひろがっているのだから。
小林秀雄は、講演の名人とも言われている。少し早口の、しかし、落語の名人を聴くような、味のある語り口である。でも、最初は、是非、難解かもしれないが、その魅力的な文章にふれてみてほしい。
久しぶりに読み返して、「平家物語」がおもしろかった。今、NHKでやっている「平清盛」とは、随分と趣の異なった平家武者の姿にふれられると思う。
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| 推薦者 |
福地 賢一 氏 (神奈川県教育委員会教育局生涯学習課) |
| ※同名の図書が複数の出版社から出されている場合があります。ここに掲載した出版社名は推薦者が読んだ本によるものです。 |
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